ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都
中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、全国の有力DVDソフト取扱店、家電
量販店、Eコマース等の実売実績を基に、Blu-rayソフトの実売動向を発表した。
【概要】
・ Blu-rayソフトは対前年同期比で三桁成長を維持
・ ジャンル別では「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速
・ チャネル別ではアニメ効果によりEコマースが牽引
・ 年末にはBlu-rayソフトは50億円市場へ成長の見込み
【Blu-rayソフトの実売は、対前年同期比で三桁成長を維持】
2008年1〜9月期のBlu-rayソフト市場規模は68万枚、38億円で、対前年比が
数量ベースで357%、金額ベースで373%となり、三桁成長を続けている。
また、DVDソフト全体市場におけるBlu-rayソフトの金額構成比が、1月0.9%⇒
9月3.8%に成長、着実に構成比は拡大してきている。タイトル数も9月期時点で
500タイトルを超えた。
【「洋画」「邦アニメ」への二極集中がさらに加速】
2008年1〜9月期までのBlu-rayソフトジャンル構成比をみると、「洋画」
「邦アニメ」への二極集中がさらに加速している。とくに7月以降、
バンダイビジュアル社がBlu-rayソフトの発売を拡大してからは「邦アニメ」が
急増し、9月期単月では金額構成比で64%にまで上っている(図1)。同社は新作・
旧作を合わせて、毎月10タイトル前後の発売を予定しており、「邦アニメ」の
勢いは今後も続くと予測される。
タイトルの数では過半数を占めながら、一時的には押されている「洋画」も、
強力タイトルを有するパラマウント社とユニバーサル・ピクチャーズ社の発売が
決定。年末にかけて攻勢をかけてくることは確実で、「洋画」「邦アニメ」の
2ジャンルが市場を牽引するという構図は、しばらく継続する見込みである。
一方、依然として様子見の感が強い「邦画」だが、興行が好調の東宝が、
ようやく10月末に「スウィングガールズ」などの劇場公開作品をBlu-ray化。
他邦画メーカーのBlu-ray参入計画のベンチマークとなるだろう。
図1: Blu-rayソフトジャンル別金額構成比と邦アニメ実売タイトル数
ジャンル別金額構成比の規格別比較
http://www.atpress.ne.jp/uploadimages/67492f98ee.jpg
【チャネル別構成比は、アニメ効果でEコマースが一歩リード】
図2と図3のグラフは、当社が調査するメディアストア・家電量販店・Eコマース
(以下 EC)のチャネル別金額構成比を表している。図2で明らかなように、
2008年1〜9月の全Blu-rayソフトのチャネル別金額構成比を見ると、ECが頭一つ
リードした形である。
ECチャネル拡大の要因のひとつとしては、アニメ作品の躍進が挙げられる。
邦アニメが一気に構成比を伸ばした2008年7〜9月では、同ジャンルにおける
EC金額構成比は66%にのぼる(図3)。「洋画」は各チャネルの構成比にあまり
差がない為、「邦アニメ」がいかにECを牽引しているかが顕著であることが
わかる。
図2: 全Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(1〜9月期)
図3:「邦アニメ」「洋画」Blu-rayソフトチャネル別金額構成比(7〜9月期)
http://www.atpress.ne.jp/uploadimages/24492f98ee.jpg
【年末の50億円市場への成長は、達成の見込み】
今年末までの市場規模の当社予測として、7月1日発表の当社プレスリリース
で50億円市場への成長の可能性を見込んだが、その達成はほぼ見えてきたと
いえる。Blu-rayによってその効果が引き立つVFX(ビジュアル・エフェクツ)を
多用した洋画大作は、1タイトルの販売数量のうち10%以上をBlu-ray版が占める
場合もある。急増する「邦アニメ」においては「マクロスF第2巻」のように、
発売時の動きで通常DVD版の売上げをBlu-ray版の売上げが上回るタイトルが
現れ始めた。ただし、現時点でDVDソフト市場全体においてのBlu-rayソフトの
構成比が数%であることを考えると、Blu-rayソフトがDVDソフト市場の過半数を
占めるのは、まだ先になりそうである。
Blu-rayソフトの一般層への普及のためには、発売タイトル数の充実、ジャン
ルの早期拡充に期待されるところが大きい。年末までには700タイトルを超え、
来年前半には一千タイトルに及ぶ可能性も見えてきているため、家電量販店、
Eコマース、大手CDチェーン等のメディアストアにおける今後のBlu-rayソフト
露出の飛躍的増加により、来年以降のBlu-rayソフト市場の本格的成長も現実味
を帯びてきたといえるだろう。
(マーケット・インテリジェンス部 メディアコンテンツグループ 西川)
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆる
カテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えている
のに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなど
からも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの
販売データを構築している。
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