カノープスから発売されている、DVキャプチャボード。同社製「DVRaptor」の廉価版という位置付けである。機能的には、DVRaptorから、ハードウェアDV CODECやアナログ入出力回路を除いたものである。

パッケージ構成は、IEEE1394端子ひとつを搭載したPCIボード、それに、「EZEdit」をはじめとする、編集アプリケーションが付属する。編集アプリケーションは、EZDV専用である。DVカメラとは、IEEE1394ケーブル一本のみの接続でOK。

このキャプチャボードは、一般の1万円前後のキャプチャボードとはことなり、OHCIドライバ(Windows付属のIEEE1494用ドライバ)では動作しない設計となっている。EZDV専用ドライバで動作するため、IEEE1394デバイス(CD-R、HDDなど)はまったく使用ができないので、購入の際は注意が必要である。

使用した感想であるが、付属するEZEditの操作感が秀逸である。直感で操作が可能なインターフェースは、DV編集が初めての方にも使いやすい。かといって、機能が貧弱ということはまったくなく、いわゆる家庭用ビデオ編集には高機能すぎるくらいだ。

各トランジションなどのレンダリングも、カノープス独自のDVコーデックを使用しているため、レンダリングもかなり早い。DVRaptorなら、ハードウェアDVコーデックのために、ストレスないレンダリングが可能だが、CPUパワーの上昇著しい最近のパソコンなら、ソフトウェアレンダリングでも十分に快適な操作ができる。

EZDV IIには「SoftXPLODE」なる3Dトランジションエフェクトをかけることのできるプラグインが付属している。このエフェクトを使用すると、プロ顔負けの場面変換効果が、設定ひとつで可能になる。本来5万円の専用ボードを購入しなければできなかった3Dトランジションがソフトウェアで実現できるのは、これはお買い得だろう(もちろん、レンダリングは、専用ボードと比較して、時間がかかるが)。

取り込んだDVを編集したあとは、もちろんDVに書き戻すことができる。さらにEZDV IIは、編集したDVを直接MPEG、ASF、QuickTimeに書き出すことが可能となっている。MPEG2にももちろん対応しているため、EZDV IIに付属するDVDit! LEを使用して、DVD形式のオーサリングを行うことも可能である。DVD-Rドライブはまだ一般に普及はしていないが、cDVDとよばれる、DVD形式にオーサリングしたファイルをCD-Rに焼く方式によって、(パソコン上のみ再生可能でという限定はつくものの)DVDビデオを作製することも可能だ(cDVDは約10~20分弱の映像が収録可能)。

 

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