実売より見るBlu-rayソフト市場の現状

投稿日時 2008-07-03 22:59:37 | カテゴリ: AV関係ニュース

報道関係者各位
プレスリリース                      2008年7月1日
         ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社

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         実売より見るBlu-rayソフト市場の現状
         = 2008年後半が市場拡大への鍵を握る =
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 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都
中野区)は、全国の有力DVDソフト取扱店および家電量販店の販売実績を基に、
Blu-rayソフトの販売動向について検証した。

=概要=
・Blu-rayハードの普及は順調、高画質薄型大画面TV、ゲーム機を含め、ハード
 環境は整いつつある
・Blu-rayソフトは対前年同期比で三桁成長を達成するも、ソフト全体における
 シェアは1%に留まる
・通常DVDソフトに比べ、Blu-rayソフト販売では家電量販店、Eコマース
 チャネルのシェアが大きい
・2008年後半に向けた映像ソフト会社の参入拡大によるジャンルの拡充、販促策
 の強化が普及への鍵
【レコーダー・TV・ゲーム機 各方面で広まるBlu-ray視聴環境】
 家電量販店における販売実績から、Blu-rayソフト販売のベースとなるハード
の普及状況を考察する。メインの視聴媒体であるBlu-rayレコーダーでは、直近
5月期の販売数量シェアがレコーダー全体の31%にまで達した。内、10万円未満
の価格帯が33%(数量ベース)を占めており、既存モデルの値下がりに加え、
今春以降に値ごろ感のあるモデルが相次いで市場に投入されたことが、普及を
加速させている。また、ゲーム機で唯一Blu-rayに対応している
プレイステーション3(以下 PS3)においても、累積販売台数が200万台を突破。
当社予測では、Blu-rayレコーダーとPS3を合わせたBlu-ray再生機の普及台数は、
2008年内にもおよそ450万台に達するとみている。
 一方薄型TVでは、大画面化とFull HD対応化が同時に進む。直近5月期の販売
数量シェアを見ると、画面サイズは従来の32インチ主流から37、42インチへ
広がりを見せ、Full HD対応機は薄型TV全体の3割、37インチ以上のクラスに
絞ると8割弱にも及ぶ。これらの傾向は北京五輪を契機に加速すると見込まれ、
Blu-ray普及の強力な追い風となる。
 このように、Blu-rayを視聴できるハード機器の環境は急速に整いつつあると
言える。

【Blu-rayソフト現況 三桁成長なるも全体市場では未だ1%】
 2008年1-5月期のBlu-rayソフト市場は、数量前年比299%、金額前年比215%
となり、通常DVDソフトが前年同期比−6%(数量ベース)と伸び悩んでいるなか、
三桁成長を遂げている。数字だけをみると急激に市場が拡大しているような印象
を受けるものの、通常DVDソフトを含めた全体市場のなかで、Blu-rayの占める
シェアは依然として数量、金額ベースともに1%にとどまる。従って通常DVDの
落ち込みを補完するまでには至らず、前述したハードの状況と比べると、
かなりのタイムラグがあることは否めない。しかしハード環境が整いつつある
今こそ、ようやくソフトとハードの普及の温度差を埋める時が来たと言える
だろう。全国のDVDソフト取扱店の販売実績を基に、Blu-rayソフト市場の現状と
今後の展望を考察する。

【Blu-rayソフト市場は家電量販店、Eコマースが牽引】
「DVD図1※」は、通常DVDソフトとBlu-rayソフトのチャネル別販売数量シェアを
表している。集計対象となるチャネルは、同社データベースでカバーしている
メディアストア・家電量販店・総合量販店・Eコマース( 以下EC)の4チャネル
である。一見して、Blu-rayソフトにおける家電量販店、ECチャネルのシェアの
大きさが見て取れる。通常DVDと比較して、家電量販店は約2倍(15%⇒32%)の
シェアを獲得している。

 ニューメディア導入期においては、一般認知度および消費者の購買意欲を
高めるために、ソフトとハードがいかに連動するかが重要となる。Blu-rayの
最大の特性である「高画質・高音質」をアピールするには、実際にディスプレイ
に映し出して見せることが効果的である。家電量販店はソフトとハード両面から
訴求できる強みを生かし、ハードのみならずソフト販売でも、Blu-ray市場を
牽引する役割を果たしている。
 ただし、一般消費者がBlu-rayソフトを幅広く認知するには、最大チャネルで
あるメディアストアが積極的な店頭展開をすることが最も重要である。

※DVD図1:「通常DVD−数量チャネルシェア」、「Blu-ray−数量チャネルシェア」
(プレスリリース末部の付帯情報「DVD図1」をご参照ください)

【ラインナップの拡充が普及促進のカギ】
 2008年1-5月期に弊社データ上で販売実績のあったBlu-rayタイトルは、
385タイトル。その内2割強は同期間に発売された新譜タイトルであった。一方、
通常DVDタイトル数は82,823で、単純比較しただけでも、Blu-rayソフトの絶対数
が不足していることは明白だ。
 ジャンル別にブレイクダウンすると、「DVD図2※」のとおり2008年1-5月期の
Blu-rayソフトジャンルシェアでは、「洋画」シェアが数量ベース:73%(金額
ベース:69%)と他ジャンルを圧倒しており、「邦アニメ」が数量ベース:12%
(金額ベース:17%)と、2ジャンルへの偏りが見えてくる。「DVD図3※」の
販売数量ランキングを見ても、トップ10タイトル中、洋画が8タイトルを占める
結果となった。

 これらの結果から、現在のBlu-rayソフト市場が、外資系映画会社勢とアニメ
に強い一部の国内映画会社によって成り立っていることが分かる。市場活性化
には、邦画・音楽・趣味教養等、幅広いユーザーへ向けた、タイトルの拡充が
不可欠であり、参入メーカーの増加によるラインナップ強化が望まれる。

※DVD図2:「ジャンル別数量シェア」
(プレスリリース末部の付帯情報「DVD図2」をご参照ください)

※DVD図3:「Blu-ray 販売数量ランキング」
(プレスリリース末部の付帯情報「DVD図3」をご参照ください)

【Blu-ray普及に本格的に取り組み始めた映像ソフト業界】
 ここに来て映像ソフト業界も、ハード環境の拡大を受け、本格普及へと舵を
切った。
 去る6月10日には、主要な映像ソフトメーカーや映像機器メーカーを中心にDEG
(デジタルコンテンツグループ)ジャパンが発足し、映像ソフト業界各社が大きく
動き出した。DEGジャパンの公表資料によると、8月までにBlu-rayは543タイトル
に達する予定で、6月以降3ヶ月間で180タイトル前後がリリースされることに
なる。
 当社予測によると、Blu-rayソフトは2008年末までに50億円強の市場規模に
達すると思われる。今年の年末に向けた映像ソフト業界各社の動き次第では、
ジャンル構成も通常DVDに近づくとともにラインナップも充実し、2009年には
Blu-rayソフトの市場規模は約10倍の500億円、2010年には1,000億円市場に
達する可能性もあるとみている。通常DVDの落ち込みを補完し、パッケージ
ソフト市場を牽引するメディアとしてBlu-rayが大きく拡大するか否か、今年
年末に向けてのハード・ソフト会社の市場活性化策に引き続き注目が集まり
そうだ。

(マーケット・インテリジェンス部 メディアコンテンツグループ 西川 泰明)

≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆる
カテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えている
のに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなど
からも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの
販売データを構築している。

※ご不明な点がありましたら、上記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、
「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。

付帯情報はこちらをご参照下さい。
DVD図1 http://www.atpress.ne.jp/uploadimages/1d14869a765.jpg
DVD図2 http://www.atpress.ne.jp/uploadimages/1844869a765.jpg
DVD図3 http://www.atpress.ne.jp/uploadimages/1134869a765.jpg



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